ジャカード織りとゴブラン織りの違いとは?

どちらもデザインがプリント(印刷)されているのではなく、

デザインが織り込まれている生地になります。

それぞれが発明・認識された当時と現代では、認識が変わってくる点がありますが、

現代の一般的に認識されている違いを簡単に言うと、

絵が浮き上がるような織り生地を「ジャカード」、

タペストリー風のつづれ織り生地を「ゴブラン」と呼びます。

*綴れ織り(つづれおり)とは、

平織の一種で、縦糸を見えなくして横糸だけで絵柄を表現する織物

 

→ジャカード織りもゴブラン織りもどちらもフランス人の名前から名付けられています。

ゴブランは、15世紀の頃に王室ご用達であり、

流行をつくったゴブランGobelin一家の工房の名前に由来します。

ジャカードは、ジャカード織機を発明した

ジョゼフ・マリー・ジャカール Joseph Marie Jacquard の名前に由来します。

"Jacquard"はフランス語ではジャカールと発音しますが

最初に日本でこの織物の名前を広めた方が英語風に発音して

日本語で「ジャカード」と定着したのではないかと思われます。

同様に、「ジャード」という間違った読み方も定着しているようです。

  

<写真によるジャカードとゴブランの比較> 

左側がジャカード生地(表面)、右側がゴブラン生地(表面)⬇

 

ジャカード生地表面⬇

 

ゴブラン生地表面⬇

 

左側がジャカード生地(裏面)、右側がゴブラン生地(裏面)⬇

 

ジャカード生地裏面⬇

 

ゴブラン生地裏面⬇

 

ジャカードは、縦糸と横糸が不規則に織られているのに対して、

ゴブランは、縦糸と横糸が交互に規則正しく織られているのがわかるかと思います。

 

同等の太さの糸で織られているジャカードとゴブランの生地を比べると、

ゴブランのほうが糸が詰まって織られている分、より固く強度がある質感になります。

 

ジャカード(薄手のものを除く)もゴブランもプリント生地に比べたら強度があるので

椅子やソファーなどに使う場合、プリント生地よりも長持ちしやすい傾向があります。